飲食開業友の会 | 衣川行政書士事務所

失敗の原因

1年以内に廃業する店の特徴1

みなさん一発アウトの飲食店に行ったことありますよね?
でも、経営しているほうは一発アウトだって気づいてないんです。こわっ!

失敗して真っ白な灰になる

飲食店開業の失敗の定義:


初期投資をほとんど回収できていない、かつ、開業から短期間(3年くらい)で廃業すること。

飲食店の廃業率(公の機関が出したデータではありませんが、このブログではこちらの数字をとりあえず採用します。変更するかもしれません。)

1年以内の廃業率:30~40%

3年以内の廃業率:40~70%

6年以内の廃業率:60~90%

(出展:飲食店.com)

この条件を前提にお話をしていきます。


全産業で小規模の法人全体の10年生存率は10%くらいなので、個人経営を含めた飲食業の廃業率は妥当な数字かな?と思います。

それくらい事業を継続していくのは難しいものです。

では短期の廃業、先述の失敗の定義に当てはまる廃業はどうでしょう?
避けられるものも多かったのではないか、と思います。

前回の記事が長くて、わかりにくいと不評だったので、前回のまとめと、イメージ画像でお伝えします。感覚的でさらに伝わりにくいかもしれませんが、これも試行錯誤です。

この記事を読むメリット

○良い店と悪い店を感覚的にイメージできる

○開業時に努力するべきポイントがわかる

○お客さんを感動させよう、とモチベーションが上がる

1.飲食店が基本的に備えていないといけない機能を備えていない

これは前回の記事にも一部書きましたが、改めて確認します。
僕が考えているものなので、異論反論募集しています。

・安全である
・不潔でない
・不愉快でない
・煩わしくない
・妥当な対価
・家ではできない何かがある

ほかに一発アウト要素も書きましたが、あまり愉快な内容ではないので、確認はしませんが、裏を返せば

・危険
・不潔
・不愉快
・煩わし
・不当な価格
・家でもできる

このような飲食店には進んでは行きたくありません。


僕のイメージで、皆さんには伝わりにくいかもしれませんが、こんなイメージです。

アウト感動ラインの図1

感動ゾーン、感動ラインの説明を全くしていませんでした。
アウトのラインを超えて感動ラインを超えるまでのゾーンはいわゆる「フツー」と言われる範囲です。
しかし「フツー」ゾーンにあることはすごいことです。開業したお店の上位50%くらいには入っている感じです。
感動ラインを超えるとお客さんの記憶に強く残ります。
この円の中心からいろいろな要素を備えて、すべての項目でアウトゾーンを脱出して、感動ラインを少しでも超えられる部分ができると繁盛店になると思います。
こんな感じで定義しています。

あえて評価項目のパラメーターは設定していません。
それを設定すると、その項目を伸ばすだけの作業になってしまって、新しい発想や着眼点が失われると思うのと、まったく意識していなかったアウト要素にハマる可能性も大いにあるので。
ざっくりとしたイメージを持ってもらえればOKです。

悲しきアウトの図

これがアウトゾーンを抜けられていないお店です。
しかし、アウトゾーンを抜けることは感動ラインを超えるより難しい作業ではありません。
アウトの要素があることに気づき、その要素をなくそうと努力と工夫をすれば「フツー」ゾーンに入れるでしょう。

フツーゾーン。あと少しだ。

あと少しで感動ゾーン到達です。
開業後半年くらいでここまで持ってこられるとすぐに廃業することはないと思います。
この「フツー」ゾーンに長く留まりながら、お店の得意分野を磨いて「感動ラインを超える」を目指してください。
守りをきっちり固めながら、攻めの刃を研ぐイメージで良いと思います。

感動ゾーンに一部到達できました。
この状態を維持できればまず廃業することはないでしょう。
他の部分も感動ゾーンに近づけるように努力しつつ、アウトゾーンからできるだけ離れるように。
この状態くらいになってくるとかなり忙しくなってくるので、他の問題が発生してきますが、うれしい悲鳴です。

すごいお店。の図。

こちらは超優良店ですね。不動の繁盛店です。
経験と実績に裏付けられたブランド力まで備わっているかもしれません。
盤石の守りで固めながら寄り切る。横綱相撲が似合います。
こう成りたいものです。

アウトと感動のない交ぜの図

斜め上をいってますね。
こういう戦略もありだと思いますが、業態や立地による部分もあるので、慎重に。
一部の熱狂的なファンと、大多数のまず行かない層に分かれます。
ラーメン店に多いかもしれません。
飲食店はすべてのお客さんに好感を持ってもらう必要はありません。
人口1万人に1人が週に1回来店してくれて、他はまったく来ない。

大阪市人口275万人 × 1万分の1 × 週に1回 × 客単価1,000円 = 年間売上約1,430万円ですね。

お店までの距離によって来店頻度の濃淡はあるでしょうが、まったく勝負にならない数字ではないです。
こういう勝負の形のお店は商圏が広いことが特徴ですし。
むしろ業態によっては狙うべき戦略です。
工夫すればなくせるアウト要素は、もちろんなくしたほうが良いですが。

このアウトのラインをいかに超えるかが開業の第一段階ですごく重要になります。
この判断の項目はなんでしょう?
・安全である
・不潔でない
・不愉快でない
・煩わしくない
・妥当な対価
・家ではできない何かがある
は重要な要素ですが、経営者の個性によるところが大きいと思いますし、それで良いと思います。

どの程度できたら、アウトのラインを超えたと言えるのでしょう?
それも、経営者の個性の部分が大きいと思います。
経営者それぞれが持っている、常識といっても良いかもしれません。

2.マニュアルを作るとアウトのラインを超えやすい?

ファストフードなどのチェーン店などはきっちりマニュアルを整備し、細かいチェック項目を作って、絶対にアウトのライン以下になることはないでしょう。
僕も学生時代ファストフード店でアルバイトをしていましたが、すごく理にかなったマニュアルで、穴がないと感じました。

チェーン店は常識を定型化し、従業員全員の常識として受け入れられるように教育をします。

では、個人店でそれは可能なのか?
メリットはあるのか?

1店舗だけの場合は、すべてをマニュアルで定義するメリットはあまりないと思います。
理由は、
○そもそもマニュアルを作るのが大変。
○細かい変更をするのが煩わしい。
○柔軟性に欠け、個人店の良さが損なわれる。

などのデメリットがあるので、新人アルバイトのトレーニングマニュアルや最低限の知識のマニュアル、部分的な作業マニュアル(ビールサーバーの洗浄方法マニュアル・レジ締マニュアルなど)はあったほうが良い、程度でしょう。

では、経営者の常識と感覚だけでやって良いのか?
そこが難しいところです。

そもそも、飲食店の常識と言われているモノ同士が、互いに矛盾していることは良くあります。

 

例えば
○回転率を上げるんだ!
○顧客満足度を上げるために、席はゆったりと。

○原価率を上げてでもウリになる商品を作るんだ!
○FL比率は60%に抑えるんだ!(FL比率がわからない方はググってください)

○人時売上高は最低3,500円以上!目指せ5,000円(人時売上高がわからない方はググってください)
○手間を惜しまずきっちり仕込みをすれば差別化しやすいし、単価も上がる。

(FL比率や人時売上高の正しい使い方、正しくない使い方は、改めて記事を書くつもりです。所詮、数値は状態を計測するための道具であって、本質ではない。状態を把握することはものすごく重要だが)

 

この矛盾する常識のどちらを取るのか?どちらも取らないのか?どちらも取って支離滅裂になるのか?
僕がいろいろな飲食店経営者を見てきた感覚で言えば、結局は経営者の感覚で決めていると思いました。
それで良いと思います。
それが経営者の個性であって、お店の個性になる。
そして、感覚で決めるからこそ決断が速い。

 

だからこそ、経営者にとって必要なことは、
○両方の常識を知っていること。
○お店にとってどちらが良いか判断すること。
○決めたら揺らがないこと。不都合があれば変更すること。(これ自体が矛盾しているが)
○狭い世界の常識にとらわれず、飲食業や料理から離れた別の視点や、大局を見る力を養うこと。
○人の意見は真摯に聞くこと。人の意見に惑わされないこと。(これも矛盾する)

結局は、経営者の器(うつわ)以上に店や従業員は育つことはない。と昔から言われていることに集約してしまう。

具体的にどうすれば効率的に常識の幅(教養と言っても良いかもしれない)を広げるか?

世の中に興味を持つ。
本を読む。
映画を見る。
いろんな人と話をする。
自分の意見を言う。
人の意見を聞く。

それしかないと思います。

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